「ハードパステルとソフトパステルどう違う?初心者目線で解説」というテーマでお話ししていきます。
実はパステルと聞いて画材だったのーと驚く人もいるのですが、その起源は紀元前9世紀のギリシャ時代までさかのぼります。最近では学校授業でも、水彩絵の具やアクリル絵の具と共にパステルを使っているところもあるようです。
水彩絵の具やアクリル絵の具はどちらも水で溶かして描く絵の具ですがパステルは水を使わずに描くことができます。パステルについてはまた解説していきますので話を戻していきましょう。
ハードパステルとソフトパステルという言葉からもなんとなくイメージが沸いてくるバステル達。わたしが初めて手にしたパステルはハードタイプのものでした。NOUVEL(ヌーベル)カレーパステルです。始めはハードの感覚があまりよくわかりませんでしたが、ソフトパステルを使ったとき、明らかに違いを感じたことを思い出します。何事も体験することでわかること、ありますよね。
ハードパステルとソフトバステルの違いを知ることで描きたい絵のイメージもどんどん広がっていきます。
結果が気になると思うので先に解説するとハードパステルとソフトパステルの大きな違いは3つ!
①硬度の違い
②タッチの違い
③使い方の違い
この3点です。
ここからはそれぞれについて詳しくお話していきます。
ハードパステルとソフトパステルの違い①硬度の違い
どちらも色の素になる顔料とその顔料を固める・練るための溶剤を使用しています。それらの分量の違いによってハードパステル、ソフトパステルと異なる固さのものができます。顔料を練る溶剤の濃度によって固さが異なるということです。溶剤の濃度が濃いと硬くて折れにくいハードパステルができ、固めるための溶剤濃度が薄いと柔らかいソフトパステルができあがるということですね。
このようなことがわかってくるとパステルが出来上がるまでの製造過程も気になるところです。職人の方々、作り手の協力なくしてアートの世界はないということかもしれません。こちらについてはまたいつか解説していきたいと思います。楽しみにしていてくださいね♪
ハードパステルとソフトパステルの違い②タッチの違い
パステルは、水彩画やアクリル画、油絵とは違い作画時に水や油を使わずにすぐに描くことができます。乾燥を待つ時間も不要です。持ち運びも楽で手軽な画材といえます。
ハードパステルは一般的に固くて四角い棒状のパステルです。パステル画では、ハードパステルの角(端)を使って、シャープな線を引いたり硬さの特性を生かして、しっかりとした輪郭線や木や線など細かな部分の表現ができます。硬さを表現したいときにはもってこいの有能選手です。
いっぽうソフトパステルはとても柔らかくとても良く伸びます。広い面を描く至り、厚塗りもできます、またやわらかい線も描けます。優しく淡いタッチも得意と言えます。ソフトパステルはやわらかいので、描いている途中で折れてしまうことがあります。ソフトなので扱いもソフトにですね。
そんなこともあるからなのか、長さの短いハーフサイズのソフトパステルが多いようにも感じます。
どのタイプのパステルも発色がとてもきれいです。個人的にはソフトパステルの発色にワクワクすることが多いです。メーカーによって画用紙への定着や発色は異なりますが、パステルの粉を定着させるためのスプレーをかけたあとも美しくそしてかわいさも感じます。ソフトとハード、併用して使えるのもパステルの使い勝手のいいところかなと思います。
ハードパステルとソフトパステルの違い③使い方の違い
ハードパステルはデッサン的な要素を持ちつつ、クロッキーのようなあたりをつけたり、陰影を作るのに良く使われますが、カッターや茶こしなどを使って粉状にして使うことも多いです。粉状にすることで画用紙に乗せるとほんのり色づき、「可愛い系」や「ほのぼの系」の作風に使われることが多いようです。色鉛筆画や水彩画などのアーティストさんもハードパステルの薄い線や淡くなぞった部分にそれぞれの絵具を重ねながら、リアルな作風にしていくこともあるようです。
ではソフトパステルは?
柔らかく伸びがいいのでパステル本体を直接画用紙にぬって指やコットンで伸ばすことが得意です。またパステルを伸ばさず色を重ねていくことでリアルな絵が描けます。また空のような広い面をぬる時は、側面の部分をそのまま使用できます。ハードパステルのように粉状にして使うこともできるという万能選手でもあります。
ソフトパステルはハードパステルに比べて色の種類も数多くあります。他の絵具と違ってパレット上で混色ができないことや、水などで濃淡を調整できないため、あらかじめ多くの色が準備されているのですね。わたしもいくつかのメーカーのものを使用していますが、それぞれ発色の特性が違ったり、硬さも違います。また重ねた時にきれいな色に馴染むものと少し濁ったように感じるものもあります。
まとめ
今回はハードパステルとソフトパステルの違いなどを簡単にお話しました。いかがでしたでしょうか。ハードパステル、ソフトパステルそれぞれの特性を知ることでこれから描くアートの表現に広がりがでてきそうですね。興味のあるものを実際に触ってみる、使ってみる、描いてみることであなたの好みがわかってくることもあります。