プロフィールにも書いていますが、2011年の震災を機にわたしの方向性は大きく変わりました。
あのとき、わたしは委託を受けて沖縄で仕事をしていました。テレビから流れる震災のニュースはわたしのこころを揺り動かし、決意したんです。たくさんの人とパステルアートを描きながら生きていきたい、いや生きていこうと。離れた場所で何もできないやるせなさとこうしてはいられない、わたしでも役にたつことがあればという想いが、その選択に至ったのだと思います。
一番に思った場所は県内の沿岸地域、釜石や大槌の人たちのこころのケアにつながればということでした。
委託事業に終止符を打ち岩手に戻ってから、
上位インストラクターからの提案でわたしたちにできること、パステルの絵はがきを作成し、その収益を3.11で被災した方々に届けるということをしました。テレビでも取り上げていただいて、皆さんにご協力いただき、微力ではありましたが、少しでも気持ちを届けることができたかな~と思っています。
このようにパステルアートというものは、その柔らかな風合いと色が人のこころを優しく穏やかにしてくれるアイテムだとわたしは思っています。
そのとき絵ハガキに使った私の絵がこちらです。
どちらも光が放たれていることを今気がつきました。あのときは今の自分にできる精いっぱいを絵に込めたいの一心でした。
いつしか、釜石や大槌でパステル教室をしたいな~、で展示会もしたいな~、パステルアートに触れてもらうことで元気になってほしいな~、見てもらって少しでも、元気になってほしいな~、気持ちを安らかにしてほしいな~という願いを秘めながら釜石へと足を運んでいました。
縁をつなぐというのは人と人の縁はもちろんかと思いますが、パステルアートとのご縁を結んでいただきたいという願いもありました。話さなくもいい、気を使わなくてもいい、ただそこにあるパステルアートを見ていただくだけでこころの中に小さな光が灯ってくれればいいな~とそんな思いです。
初めは内陸からも沿岸からも集まりやすい場所として北上を展示会の場所として設定し行ってきました。やがてわたしの夢だった釜石での開催と進んでいきます。その頃は釜石にも大槌にもインストラクターや生徒さんたちも増え、地元のみなさんの作品を展示することが展示する側、またその絵を見に来られ方、両方にとって一番の励まし、勇気づけになるのではないかと思いが、これまで続けてこられた証のような気がします。それはまたわたしの喜びであり、わたしが行うべき課題のひとつだと思ってもいます。
展示会場としてお借りしている釜石市民ホール TETTOのギャラリーは窓も広く、バス停でバスを待つ方々にもその絵を見ていただくこともできて会場内からだけではなく外からのあたたかな声援もいただけて本当にありがたいことです。
スタッフの方々の細かなお気遣いにも感謝申し上げます。
代表であるわたしは、2024年現在少し離れた場所におりますが、釜石の展示会に向けての取り組みを継続できるよう、オンラインで教室を開催したり、時には釜石に参り対面教室をおこなっています。続けていくことことも縁をつなぐことだと思っているからです。
2020年のパンデミックの時はマスク着用、そして検温など来場してくださる方々には本当にご面倒をかけました。大変な時をまた一緒に乗り越えてきたという気持ちです。みなさんのご協力があってこその展示会だということを展示会を重ねるごとに深く感じています。ありがとうございます。おかげさまでございます。
2024年現在も2025年5月の展示会で皆さんに見ていただく大きな作品にもとりかかっております。小さなお子様から大先輩方に喜んでいただけるような作品を描いていきたいと思います。
縁つなぐパステルclub代表 近藤えつこ